私の愛するこれくしょん


 コレクション、という程の量ではないし、価値もないのだが、中学時代からためこんでいるものに「紙ブクロ」がある。もちろんありきたりなものはほとんどなく、珍しい素材でできているものとか極端に小さなもの、そしてもちろんキレイなもの、などである。
 何かを“買う”ということは、人にとって無縁ではいられないことだろう。本・服・生活用品からなくても別に困らないものまで何かひとつは買わない人間はいない。買えば、何かに包まれてくる。食料品をスーパーで買えばポリぶくろをくれるし、ダイヤのユビワを買えばビロードの箱に入ってくることだろう。そして中流階級にあるすてきな紙ブクロが、私は好きだ。そして集める。不毛なコレクションではないことも気に入っている。借りものを返すとき、逆に貸すとき(大事にしていた)ということのあらわれになる場合もあるし、プレゼントをするとき、その目立つ包みをその名の通りカバーするという役を与えられたりする。手のついたものは持ち運びには折りたためるのでベンリ。私のさまざまな買い物の歴史である紙ブクロたちはまた世に出る日まで部屋のすみで眠りつづけている。