What's your name?


 実は私の旧姓は「う」ではじまる。名簿順で前から7番目だった小5。かなり中堅と言っても良い位置で、小5・小6の二年間(クラス替えがない)ぬくぬくと暮らしていた。ところがその翌年、なんと1番!
 もちろん初めてのことで、何でもかんでも最初にされる、という現実に戸惑ってしまった。まさか「う」で…という、信じられない気持ちもあった。
 その点「あ○○さん」や「い○○さん」は、昔から「先頭慣れ」しているに違いない。他のクラスのそういう子たちは、朝礼の時など、やけに堂々として見えたものだ。中学校からは背の高い低いにかかわらず、名簿順で常に並ばされるため、親しくなるのもその近辺。私個人の住所録を見ると、ア行の友人が異様に多い。
 名前で性格形成が全てなされるとは思わないが、影響がゼロとは言いがたい。彼女たちはそろってシッカリしている。先頭に立つ機会が多いせいか、引っ込まず社交的で、協調性豊か。話す内容も面白い。全国的に一度統計をとってほしいものだ。
 大学ではクラスがなく、専攻の人数が多かったため9番と過去最低の順位。やはりアとイが非常に多かった。体育のレポートで、そのアとイを含む15人ほどでまとまって発表をすることになった。すすむすすむ。船頭多くして…でもなく、チームワーク良く高得点を稼ぐことが出来た。
 つい1年前(1999年)の司書講習。ある科目でグループ学習となった時、私はイで始まる人沢山とオが少し、という(ウやエは殆どいない)中に混ざった。正直言うと私が少し仕切ったが、後は皆の協調性の良さに助けられ、感想も成績も上々だった。
 我孫子武丸「メビウスの殺人」という推理小説がある。少々ネタを割るので申し訳ないのだが、しりとり式に連続殺人が行われる話である(たとえばモリヨシロウ→ウタダヒカル、という具合)。中で、次は「イ」で始まる人が危ない!という場面があり、東京で「イを守る会」という活動が発足…でも「イ」で始まる人は軽く万の単位だけどなあ…という所が楽しかった。のは私だけかも。
 ただ…アもイもウもいいけど、次生まれる時は「ヤ・ワ」行を狙うつもりである。