ワタシの読書史【推理小説編1】


 小学校のクラブ活動に「読書クラブ」というものがあった。今にして思うと、単に時間中本を読むだけの活動。あれで果して良かったのだろうか。
 とにかくそこで「ホームズ」「ルパン」「明智小五郎」を知り、夢中になって読みつくした(が、今では憶えていない)。
 近所に図書館がなかったため、父が毎週車で連れていってくれたのが天白図書館だった。もちろん推理小説が目当て。「ズッコケ3人組」「マガーク探偵団」がお気に入りだった。
 それにしても江戸川乱歩。少年向けなのに 「赤ら顔の女性と青白い顔の女性の化粧下地の違い」を説かれても…何が何やらだった。後から思い出してわかったけど。
 学校の帰りに本を読みながら歩いていて、近所のおばさんから母へ密告が行き、よくドしかられた。このあたりから急速に視力が落ちていく。…ところが中学生になると、興味はSFに移り、しばらく推理小説から離れることとなる。
 ふたたび推理小説に戻ってきたのは、すでに大学時代。
 なぜかウチの学部図書館には、クリスティーがとてもたくさんあった。思わず手を出し、そこからクイーン以下、外国推理の有名どころを押さえていきたくなってしまった。ひと通り「古典」と呼ばれるものに目を通したつもりだが、忘れっぽい私の事、トリックから犯人まで今ではもうわからないという情ない結果になっている(逆に今読み返すと新鮮でおトクかも)。
(古典・・というと、まあ「黄色い部屋の謎」とか・・です)
 それから、本学(ウチは大学の本部のことをこう言う)の図書館には、なぜか横溝正史の文庫本が大量にあった。ので、思わず手を出してしまった。部活が本学だったので、行った時行った時に借りていると、相当な量になった。
 そこで思い出したが「小学校やそこらの時、読んだ…」というものもあった。『本陣殺人事件』である。小さい時にそんなもの読むなよーという内容だが、忘れっぽい私がなぜ覚えていたか。特殊なアイテムが登場していたから、記憶の片隅に残っていたらしい。それは、琴柱(ことじ)。兼六園のアレね。
 しかしまあ、横溝正史氏の文庫本は、ブックカバーなしでは読めない。全体に黒いトーンで、しかも「気持ち悪い女性の顔」が「アップ」で描かれていて、何ともおどろおどろしいのだ。
 社会人になってしばらくしてから「新本格」と呼ばれる推理小説家集団を知った。
とっかかりは綾辻行人氏。今まで、現代日本人推理小説を実情も知らずに馬鹿にしていたワタシには、衝撃的だった。そこから日本の推理をどんどん(といっても通に言わせればほんのすこーーし)読み、楽しんでいた。例えば岡嶋二人・東野圭吾・法月倫太郎・乃南アサ・宮部みゆき、など。
 このころは土日は大体休みだし、自転車を乗り回してどこにでも出かけていたので(図書館1日にふたつ、とか)ハッキリ言って読んでばっかりだった(家の手伝いしーろーよー!)。
 4年勤めた会社を辞め、直後に知ったのが京極夏彦。
 これでもかという分厚い本・・・。読む前からワクワクしていた。が、途中までは(つまんないかも)と、ダレかけ。姿勢を正して読み始めたのは、半分くらいを過ぎてからだった。
 推理小説(だよね)は買わない主義のワタシが、彼の文庫本は持っている。ちなみに一番初めに読んだのは「狂骨の夢」で一番つまらなかったの(犯人わかったの)は「絡新婦の理」。勢いで書いてしまったが、補足などはまた次回に・・・。